2012年11月5日

デンオン


近所のセルフ・スタンドでガソリンを入れ、ハード・オフへと車を走らせました。
店舗の在る旧いビルに着いてみると「エレベーター修理中」の張り紙、
わ、ここもシンドラー社だったのか!と、軽率に閃いてしまいましたが
従業員に尋ねてみると、1週間前に故障して部品待ちの状態なんだとか。
なあんだと安心しながらも、地下の駐車場から階段を上ることになってしまいました。

階段を上り、手前のブック・オフの店内を抜け
見慣れたジャンクっぽい中古品が並ぶ光景を横目に、お目当ての陳列棚へと向かいます。
アナログ・プレーヤーが約10台ほど置かれた中に、1ヶ月前に見かけたDENONが有りました。
型番はDP-1700(DP-1000と記憶してたのはターンテーブルの品番を見たからでした)
さてプライスは・・


何という幸運でしょう、私がやって来るのを待っていたかのように値下げされてました。
確か前回来たときは¥12000、高いなあ~と思いながら見ていたんですが
(申し訳ないが、この店で万券は出したくない)それが¥9000になっているではありませんか!
ダスト・カバーに傷はあるものの、キャビの白木は綺麗でアームに錆びも出てません。
ニヤリとほくそ笑み、ひと呼吸おいてからカウンターの役職者らしき方に声を掛け
商品の前へとご足労頂いた上で早速値引き交渉開始です。
私のやり方、やんわりと「少しだけ下げられませんか?」で始まります。
このくらいの価格だと、大概の場合千円は確実に引いてくれるのは分かってますから。
案の定、困った顔をしながらも店員曰く「うーん、¥8000なら何とか・・」
計画通りです。すかさず私「¥7000になりませんか?」
店員、苦笑いしながら「いやあ、値下げしたばかりなんで勘弁してください」
私、あっさりと引きます「分かりました、じゃあこれ、頂きます」
この間わずか2~3分、あーだこーだの執拗な値切り方は好きじゃありませんもの。

車なので梱包もしなくて良い旨を伝え、支払いをしてそのまま裸で持ち帰りました。
(付属のMMカートリッジは不要なので外してお店に置いてきました)
エレベーターが使えないので、手に持って階段で地下の車まで運びましたけど
このずっしりとした重量感がアナログには欠かせないものなのです。
できればジャンクで2~3000円の目論みが外れ予算オーバーになったのと、
残念なことに狙っていたACモーターのベルト・ドライブでもない結果となりましたが
昔からアナログ・プレーヤーはDENONのデザインが一番それっぽくて好きでしたから
程度の良い物が安く入手できたので、今回はこれで善しとしましょう。


今、ヴァン・モリスンを聴いています。
音溝に黴が生えてしまったのか、チリチリ・パチパチが鳴り止みません。
けどいいんです、この時代の音はこれでいいんです。
ノイズに埋もれてしまいそうでも、その奥に歌が生きてる感じがするんですよね。
私のモニター・スピーカーであるオーラトーン5Cも、そう申しております。
この図体の大きなプレーヤーのせいで、置き場所の変更を余儀なくされ
午後から数時間掛けて大掃除にも似た配置換えをしたおかげで
腰や腕が痛む体となってしまったことにも憂鬱にならずに済んでいるほど、
今夜の私は有意義な一日に満足しているのです。

ディスクは替わりロバート・ジョンソンのCBS盤、リアルです!(嬉)
あ、言っておきますがDENONは「デノン」と呼んではいけませんよ。
正しくは「デンオン」ですからね。


2012年11月4日

集う


今日は終日爺さんに徹する日、
何故か三人とも揃って11月に生まれた孫たちの、合同お誕生日会だったのです。
男の子が三人も集まると、そりゃあもう賑やかどころかやかましいくらいの騒ぎ。
一番下の今月で一歳になる子も興奮しまくりでした。
この先、こやつらが汗まみれ泥まみれになって暴れる年頃になることを想像すると
ひえ~っ!考えただけで何だかぞっとしてしまいます。
仮に、ここへ一人だけ女の子が生まれたとしたなら
たぶん周囲の汗臭い男共の中で燦然と輝くお姫さまみたいに見えるんでしょうね。
女の子って、一歳前でもやっぱり女の子の仕草をするらしいですから。
あ~、なんで家は男の子ばっかりなんだろう。。


ま、そうは言っても可愛いものです。
血が繋がっていると、どこかで誰かに似た表情や仕草をします。
こんな私に似てほしいとはあまり思ってないんですが、
気の毒なことに、そっくりだと言われる子も居ます(笑)
おい、お前ら、顔はともかく足だけはスラ~ッと長く伸びて格好良くなるのだぞ!

やがて思春期を迎え、いっぱしの男に成長した姿までは見届けたいものです。
ついでに、「どうだ、爺ちゃん凄いだろ」みたいなものを見せ付けて
こやつらに刺激を与え、圧倒させることが夢でもあります。
頑張らなくっちゃ!

さて、明日は代替のアナログ・プレーヤーを求め車を走らせます。
待ってろ、ハード・オフ!!

2012年11月3日

逝っちまった・・


二夜連続でアナログについて書き、
休眠中だったプレーヤーを酷使してしまったんでしょうか。
友人から譲り受けた旧いテクニクスが昨晩遅く他界しました。

発売は1979年、私の家にやって来たのは15年ほど前だったと思います。
1年の間に一度か二度、思い出したように電源を入れてあげる程度でしたが
クオーツロックも正確さを維持したまま、今までしっかりと働いてくれていました。
フル・オート機能も、亡くなる直前まで正常に作動してたんですけど
再生中にいきなり全ての電源が落ちるという、
プレーヤーのトラブルとしては極めて珍しい電源ユニットの不良かと思われます。
大概はサーボやクオーツなどの制御系の部品がやられるんですが
今回のようなアクシデントは歴代のプレーヤーには無く、初めての経験でした。
推定年齢30歳。大往生かも知れませんが、もうちょっとだけ働いてほしかったものです。

そして残された私、当然のことながら途方に暮れてます。
アナログの素晴らしさを再認識した矢先の出来事でしたからね。
収納の奥の方から引っ張り出されて来たカビ臭いレコード盤たちも同じ気持ちでしょう。
どこかで代役を見つけて来なくてはなりません。

そうだ!一ヶ月ほど前、ハード・オフを覗いたときに
比較的程度の良いDENONのDP-790が置いてあった筈だ!
まだ売れずに残っていれば・・

ふと思い出してはみたものの
こんなときに限って運悪く車が無いのでした。娘婿に車を貸してしまい、
明日孫たちの誕生会が終わってから乗って帰って来る段取りになっていたのです。
しょうがない、月曜にでも探索に出掛けてみましょう。
ただ、程度の良いDENON製品はやや値が張る場合が多いので、
40年くらい前のACモーターで駆動するベルト・ドライブが見つかれば有り難いですね。
回転数にやや問題はあるものの、あれは絶対に壊れませんもの。
消耗したベルトさえ交換してあげれば半永久的に使える筈です。
ジャンクの棚に¥500~¥1000くらいで置いてないかしら?

(豆知識)
ハード・オフで売られているアナログ・プレーヤーは、
カートリッジとシェルが付属してないと値段が安いのです。
ここは狙い目なので、値切る際の材料にする計画なり。
私、大阪の人間ではありませんが
店頭で品物を購入するときは必ず値切ります。
中古商品の場合はなおさらのこと、
根拠の無い売値を見ると俄然交渉に熱が入るのですよ(笑)

2012年11月2日

アナログ回帰


アサイラム・レコードはこの時代が一番好きでした。
日本では東芝からリリースされていた頃で、この後ワーナー・ブラザースへと移行して
パイオニアから発売されるようになりました。
(営業的にはパイオニアへ移ってからの方が本気出してましたけどね)

手元に残されたわずかなアナログ盤の中に、73年のオリジナル・バーズがありました。
アサイラムが世に送り出したバーズ再編のアルバムです。


久しぶりに針を下ろしてみると・・
ああ、この雰囲気はやはりアナログでなきゃ伝わって来ないなあと実感しました。
デジタルに変換した時点で、空気感みたいなものが全て削ぎ落とされてしまうような
そんなことを思いながら聴き入ってしまいました。
音溝に刻まれた記録というのは「その時」の何もかもなんですからね。
カートリッジの針先が拾い上げる音はとてもリアルです。

この70年代初頭の頃までは、レコード盤そのものが厚くて硬めに作られていました。
気のせいかも知れませんが、それ以降の薄っぺらで柔らかな盤に比べると
音溝の耐久性もいいですし、スクラッチ・ノイズも少なく感じられます。


このオムニバス盤も、CBSがまだ日本コロンビアからリリースされていた時代の物ですが
ノイズも無く、音像がしっかり聴こえるくらいリアルなカッティングが成されてました。
ディランの初期の声やバーズの演奏も、CBSソニー盤とは異なり太く聴こえます。
おまけに、分厚い紙の見開きジャケットを開くと
さすが横幅60センチのアート、こんな世界が広がっているのです。


こうなると圧巻ですよね!

過去には千枚近く有ったLPレコードの殆どを手放してしまった私を含め、
我々はデジタル革命に浮かれて大切な文化財を失った気がします。
今からでも遅くはない、コレクターとしてではなくリスナーとしての立場から
安い物や掘り出し物を少しずつ買い戻して行こうかと思うのですが
巷ではアナログ回帰の風潮も見受けられるので値上がりが心配でもあります。
今のうちに叩き売りされてる物を探しに行かなくっちゃ!

2012年11月1日

カビ臭さがたまらないのです

嬉しい誤算というべきなのか、
Bluesのアナログ・ディスクはRCAのオムニバス盤以外は全て手放した筈なのに
ロバート・ジョンソンが2枚と、ビッグ・ママ・ソーントンが(奇跡的に)残っていました。
ほうぼう屋さんを訪ねて以来、Bluesをアナログで聴きたくなったなあと思っていると
デスクの下の奥の方に仕舞い込んである箱の中から発掘されたのです。
11月最初の日は、こんな感じでスタートしました。




ロバート・ジョンソンはリイシューですが米コロンビア盤、
ビッグ・ママ・ソーントンは東芝のプレスでした。
昔集めたジョン・リー・フッカーやライトニン・ホプキンス、サニー・ボーイ・ウイリアムスン、
戦前にフィールド・レコーディングされたYazooのシリーズ盤などなど、
Bluesだけでも100枚ほどは有ったアルバムが今は残ってないというのに何故これだけが?
・・謎です。

ただ、惜しいことにジャケットはかなりシミが付いてしまってます。
若干コーティングされた国内盤はまだしも、米国盤は紙の質が悪いのと
高温多湿な日本の気候に合わないので顕著です。
(反らないように米国盤は買ってすぐにシールを剥がしていたせいもありますが)
でもね、米国盤のジャケットのカビ臭さ!これだけは好きですね。
厚手の紙を使った国内盤とは全く違う臭いを発しています。
船便でのんびりと海を渡り、日本にやって来るまでの間の潮の匂いかも知れません。
そういえば・・
買って来たアルバムのシールにちょっとだけカッターの刃を入れて
つーっと口を開いた瞬間に、アメリカの空気を吸った気分になったっけなあ(笑)

それはさておき、さっそく明日にでも針を落としてみましょう。
円盤が回り、反りに合わせてアームが上下する様がたまりません。
そしてパッツン、ポッツンのスクラッチ・ノイズもデジタルには無い楽しみのひとつです。
Blues以外に他にも数枚懐かしいアルバムが出て来ましたが、それは明日にでも。

箱の中を漁ったときの印象ですが、残っている物が支離滅裂!
おそらく高く売れた「金目の物」以外が手元に残ったということなんでしょうけどね(苦笑)

2012年10月31日

冬支度


10月も終わり、そろそろ冬支度を始めなければなりません。
今日は冬物のパンツをまとめて7本洗濯しましたが
天気が良さそうなので、また明日も引き続き5本を洗濯する予定です。
・・え?計12本は多すぎるんじゃないかって?
お恥ずかしい話ですが、実はその内の半分はサイズが合わず履けなくなりました。
ここのところ、お腹がぽっこりしてきたもんで
ウエストが窮屈になってしまった物がほとんどなのです。
一度綺麗に洗ってから、仕舞うなり処分するなり考えようかと。。

午後から少しだけ陽が翳ってきましたが、外に干したまま散歩へ出掛けました。
途中、友人に電話した折「夕方頃に降るかも・・」と言われ空を見上げると
怪しげな黒い雲が西から東へゆっくりと流れて来るではありませんか。
こりゃいかん、せっかく洗ったのに濡れてはかなわん、とばかりに
急いで家まで戻り、全部取り込んでから再び散歩コースへと向かったのでした。
(自分で洗濯した物が雨に濡れてしまったら怒りが込み上げますもんね)

しかし・・
黒い雲はそのまま通り過ぎ、雨が降ることはありませんでした。
用心してるときってのは、得てしてこんなものなんでしょう。
急病の友人も快方に向かっているようで
めでたしめでたし、な10月最後の一日でございました。

ところで、昨晩のBlogのタイトル「Wet man」
憂いのある男、というつもりで書いてしまったんですが
よく考えたら「湿気た男」ですよね、こりゃあ。
かずら元年の人間性、言い得て妙です(笑)

2012年10月30日

Wet man


私のように、何度か入退院を繰り返した者であればいざ知らず
スポーツで鍛えた肉体を持ち、爽やかな笑顔の似合う者が急な病を患い
それが私よりも遥かに若い方だったりすると、何だかとても心配になります。
友人の体調が思わしくないと聞き、今夜は少々気を揉んでいるのですが
大事に至らず、快方に向かってくれることを祈るばかりです。

こんな夜は、何か爽やかな音はないかしらと
がさごそ探して出て来たのがアメリカでした。
(私の部屋にはヌメッとした音源の物ばかりなもんで)

結果、期待したほどの爽やかさは無かったのですが、私にはむしろそれが好印象。
個々の楽器もボーカルも、音が細くてクリアな音像なのですが
ぎらぎらの乾いたカリフォルニアの空ではなくて、少しばかり湿った影があります。
調べてみると、三人共イギリス育ちでアメリカン・スクールに通っていたそうです。
なるほど、やっぱりね。あの辺りの空気を吸ったミュージシャンは皆いいですよ。
かのイーグルスも、ファースト・アルバムは敢えてロンドンでレコーディングしてましたし
ややどろどろしてヌメッた感じの音のファーストが私は未だに好きですもの。
スコーン!と抜けるんじゃなくて、モノラルっぽく真ん中の芯がどっしりした音。
アトランティック盤が好きだったのも、その辺の音作りのせいだと思いますけどね。

いや、待てよ。
60年代後半に台頭して来たカリフォルニア・サウンドって
どれもブリティッシュ風な音に仕上げられてるなあ。。何故?
ま、ここから先は評論家諸氏やコレクターの方にお任せしましょう。

余談ですが、
iPhone5でこのアルバム・ジャケットを撮影したとき
イラストの顔に対して「顔認識」のインジケーターが働きました。
おまえ、賢いなあ!と、褒めてあげるべきなんでしょうかね?

さらに余談となりますが、
音楽も映画も文学も、少年時代から一貫して憂いを含んだものが好きなのは
私の心が病んでいるからなのかしら。
そんな男に気を揉まれても、前述の友人はありがた迷惑なのかも知れませんが
早く良くなって、いつもの笑顔を見せてほしいと願うのです。