2012年11月22日

DO YOU BELIEVE IN MAGIC


近頃はリスナーに徹するばかりで、暫くの間ライブからは遠ざかりそうな雲行きであります。なんたって楽しいんですもの、古いアルバムの音の中に思い出や新たな発見があったりして。まさに温故知新ですな。自身の原点を掘り起こして見つめ直すことも時には必要なんでしょう、きっと。ある意味、旅みたいなもんだわなあ~と思いながら毎夜さまざま聴き漁っています。

今夜はジョン・セバスチャンから始まりました。このファースト・アルバムも実に良い内容です。MGMのアナログ盤は傷みが激しくてトレース出来ないのでリプリーズ盤のCDで聴いてますが、この時代のマスター音源は時折歪んでる箇所があるようで、ジリジリと割れ気味の音はアナログ盤のせいだけじゃなかったようです。(ステファン・スティルスのセカンドあたりにも、ストリングスの入った分厚い音の部分で少し歪んでいる所がありましたから、ミックス・ダウンの時にオーバー・レベルだったのかも知れませんね)

他のアルバムをもう一度聴き直してみたいなあ・・そう思ってはみても、「フォー・オブ・アス」も「ターザナ・キッド」も「ウエルカム・バック」も、みーんな手放してしまっていて手元には残っていません。なんてこったい!それじゃあとAmazonを見てみると、どれもびっくりするくらい値が上がってました。廃盤だらけなんですかねぇ?米国盤で持っていた物すべてを売り払ってしまったことが悔やまれます(泣)

因みにこのジョン・セバスチャン・ファースト、レコーディングの最中にリプリーズと契約したことから、全く同じ内容のアルバムがジャケット違いでMGMとリプリーズの2社から発売されたという経緯があるんです。契約切れのMGM盤は初回プレスのみだったそうであまり市場には出ておらず、我が家にあるこれはかなり貴重な代物のようです。ただし、所有権は女房。彼女が高校生の頃に「ジャケット写真の良い方」を選んで購入したそうです。確かにリプリーズ盤の方はナンジャコリャア~でしたからね(笑)


さて、お次はラヴィン・スプーンフルが流れている今夜の私の部屋、なのであります。
DO YOU BELIEVE IN MAGIC!

2012年11月21日

You'd Be So Nice To Come Home To


You'd Be So Nice To Come Home To 「帰ってくれれば嬉しいわ」

ヘレン・メリルがクリフォード・ブラウンをバックに歌ったこの曲には、大橋巨泉の「名誤訳」と言われる邦題が付けられました。正確に訳すと「君が待っていてくれるのなら、家へ帰るのはさぞや楽しいことだろう」となるらしいのですが、誤訳とは言えあまりにも素敵なタイトルだったのでそのまま世に出されたというのが真相のようです。確かにこのジャケット写真と、切ないほどの彼女のハスキーな声を聴いてしまうと「帰ってくれれば嬉しいわ」そう歌われていると思う方がより現実的に感じてしまいます。
私は40年ほど前にこの歌を初めて耳にした時に、原題と邦題の両方を同時に覚えてしまいましたから、今でも誤訳の方がすんなりと入って来るんですが、この時代の音楽や映画の「邦題」には、それと類似した傾向が数多くあったように思えます。誤訳とも意訳とも取れない、かなり微妙な線であっても真実が伝わって来るような、今で言うキャッチ・コピーに近いものだったんじゃないでしょうか。当時のレコード盤のタスキに記された邦題もその典型でしたから、情報の少なかった時代に私たちはそこからイメージを膨らませ、様々に想いを巡らせていたものです。それらから思いもよらず恩恵に授かることもあるのですから、間違いというもの全てが悪だとは決め付けられませんよね。非常に難解な日本語の言葉と文法、受け止め方によって意味が変わってしまうのは避けられないことですし、受け手側の自由な解釈に委ねられるのはむしろ素敵に思えます。

それにしても、このアルバム・ジャケットは素晴らしいですね。私のお気に入りの一枚です。チューブのコンデンサー・マイクに向かって歌うその顔、そしてマイクのボディに重ねた文字、レコーディングのリアルさが伝わって来る秀作です。私にとっては、この写真と「You'd Be So Nice To Come Home To」は、今でもイコールであり続けているのです。

「帰ってくれれば嬉しいわ」
その叶わぬ想いが、今夜も焼酎と共に更けて行きます。

2012年11月20日

marantz

最近のオーディオ製品には全く興味が無いというか、デジタルばかりを優先してフォノ入力端子も省かれてしまったような物が多いことには少々憂いを感じていました。ましてや一時期などはホーム・シアター向けのAVアンプが主流を占めて、オーソドックスなプリメイン・アンプを生産するメーカーもそれ以降はずいぶん少なくなりましたし、幾つかの一世を風靡したブランドは海外の企業に買収されてしまいました。
時代に逆行するかのようにアナログの音を重視する私にとっては、高級機としてのみ残された製品には高額すぎて手が出せず、もはや中古製品を購入するしか道が無かったわけですから、現行のモデルに見向きもしなくなったのは当然のことだったと言えます。

そこでよく活用したのがハード・オフ。価格の付け方に少々のバラツキはあるのですが、そこを上手く見据えて行くと買い得な物が見つかります。ジャンクの中から数千円で程度も良く完動品のお得な製品が手に入ることもありますから、今までずいぶんとお世話になったものです。
先日ご紹介したDENONのターンテーブルが良い例で、私はDP-1700の極上品を¥8000で購入することが出来ましたが、同じ陳列棚にはグレードの低いDP-790が何と¥16000で置かれていました。こんな逆転現象もありますから見ていて楽しいんですよね。

私の部屋に置かれている現在のオーディオ製品は、スピーカーを除いてアンプもCDプレーヤーも全てハード・オフからジャンクで購入した物です。確か五千円前後だったと思いますが、6~7年経過した今なお元気に動いてくれています。ただ「中古の中古」であるだけに、いつプッツンするかその辺りが心配でもあるのです。その時はまたジャンクで見つけりゃいいじゃないか、そう思われるかも知れませんが、アンプに関しては近頃あまり良い物が有りません。そりゃそうです、旧い物は更に旧くなってるんですから、フォノ端子が付いた程度の良い製品を見つけるのは容易ではないのです。

そんな折、往年のマランツは今どうしているのかしら?と思いネットで探してみると、未だ新製品を世に送り出しているようです。嬉しいことに現行機にもフォノ・イコライザーを搭載してました。パーツはかなりランクを落としてるんでしょうけど、シュアーのようなMM型で出力の高いカートリッジであればSN比も問題なく使えることでしょう。しかも安い!エントリー・モデルのPM-5004であれば2万円程度で売られています。


現代風な顔つきではありますが、とても品の良い印象を受けます。角にRを付けて丸みを帯びた厚手のフロント・パネルもいいデザインじゃないですか。マランツさん、いい仕事してますなあ。
これ、気に入りましたんで手元のアンプが他界した折には(新品で)購入したいと思います。もちろん、中古で安くて良い物が見つからなかった場合に限りますが・・

marantz PM-5004 http://www.marantz.jp/jp/Products/Pages/ProductDetails.aspx?CatId=HiFi&SubCatId=Amplifier&ProductId=PM5004#.UKupIOSzsxE

2012年11月19日

冬なんです


故郷である北海道を離れ、都会に移り住んでから40年以上が過ぎましたが、当時のそこでの暮らしは一年の大半を厳しい寒さと対峙していたような気がします。冬が近付いて来るその気配に怯えながら、動物的な本能が働いて身構えたとしても、どうすることもできないまま縮こまるしか成す術が無いほどに、厳寒の地の凍てついた冬は例えようも無いほど長く感じられたものです。

季節や時間を体で感じられない都会での生活に慣れてしまうと、どうしても冬をナメてしまいます。紅葉が遅れるほど温暖な秋が長引いたりしようものなら、その痛いほどに厳しい冬の存在を忘れてしまい、或る日突然急な冷え込みに襲われてから慌てふためくのです。

今や私の体もそのご他聞にもれず、冬に対する身構えが全くできなくなってしまいました。心の準備もままならず今夜の寒波には完敗です。冷房装置の夏が行き暖房装置の冬が来る、都会には四季が無いどころか、2極の温度管理によって肉体が自然を捉えられなくなっているんでしょうね。情けないことです。

その北海道、友人のBlogによると今夜は雪が降っているそうです。都会暮らしをやめて実家へ戻り、二十数年ぶりに体感する「本物の冬」に怯える姿が言葉に表れていました。

さて私はというと、
冬の夜がよく似合うサンディ・デニーを聴きながら、遠い田舎のことを思い出しているのです。

2012年11月18日

トラッドに浸る


本日Amazonの大阪物流から、注文していた数点のCDが到着しました。全てUK盤のブリティッシュ・フォーク、もう一度勉強し直そうかと思いましてね。オムニバス盤が2点とフェアポート・コンヴェンション、サンディ・デニーなどなど有名無名含め、例によってお安い価格の物ばかり(笑)
写真はその中のTHE BEST OF BRITISH FOLK、サブ・タイトルにはフェアポート・コンヴェンションの「The Heart of the Song」と銘打たれてまして、いきなり1曲目はその歌で始まるんですが、心地好い流れで18曲があっという間に終わってしまいます。これは楽しい!ラベル面がアナログ・ディスク風に作られているのも好感が持てます。

このオムニバス盤は通常の1枚用の厚みのプラ・ケ-スにディスクが2枚収まって、外装にはジャケットと同じデザインの紙箱が付いているんですが、¥700とは思えない装丁と音質にびっくりしました。私が全く知らないアーティストも数多く収録されてまして、そのトラディッショナルならではの雰囲気がたまらない魅力となっています。歌もフィドルも、このウエット感はやはりいいですね。


こんな感じで、プラケースを開くと更に真ん中にプラ板が付いていて、その両側にディスクが2枚収まっています。このプラ板が薄くて心許ないのとディスクの取り外しに少々難儀するんですけど、そこは2枚組36曲入り¥700という格安さに我慢することにしましょう。・・馴染んでくる前に壊れてしまうかも知れませんけど(苦笑)

フェアポート・コンヴェンションほどには今まであまり聴く機会はありませんでしたが、マグナ・カルタもいいですね。「シーズンズ」あたりが欲しくなってしまいました。いずれにしてもこのTHE BEST OF BRITISH FOLKと、同じく2枚組のGREAT BRITISH FOLK、これらのオムニバス・ディスク4枚72曲でしばらくは退屈しないで済みそうです。

わ、Ewan MacColl (with Peggy Seeger)のバンジョーと、グレース・スリックばりのボーカルを聴かせるThe Albion Bandのライブもいいなあ~♪Judy Dunlopの「The Sun And The Moon」も素晴らしい!!


2012年11月17日

The Heart of the Song


LP盤をのんびりとした気分で聴くためには、ゆったりした時間を持て余し気味の夜が一番なのでして、さすがに昨日今日は余裕が無いせいか(やむなく)CDの棚から何枚か取り出して聴いています。
私は好きなアルバムをBGMとすることは好まず、「聴くなら聴く」でがっつり集中してないと気が済まないところがあるので、こうしてBlogの文章を打っていても手が止まってしまうことが度々あります。耳が音に惹かれてしまうと、言葉が何処かへ飛んで行ってしまって先へ進まなくなり、挙句は書こうとしていたことまで思い出せなくなる始末で、何度も打ち直しするのはもはや日常茶飯事となってしまいました。二つのことを同時になんて、私には出来っこないのです。
ならば軽く行こうと、今夜はエイモス・ギャレットを掛けてみましたが、やはり途中から聴き入ってしまい、わずか数行の辺りを行ったり来たりしています(苦笑)

Amazonの「欲しいものリスト」に幾つかの商品を入れておくと、時折「値下がりしました」と表示されていることがあります。その誘いに乗せられたわけではないんですが、あまりにも安くなっていたのでCDを何枚か注文しました。その内の2枚がこれ。



ブリティッシュ・フォークのオムニバス盤、2枚組で何と¥700!これはお得な内容です。明日大阪から到着予定なのであります。楽しみ!!

2012年11月16日

ジムラン

JBLはジェームス・B・ランシングによって創設されたスピーカー・メーカーです。今はどうなのかよく分かりませんけど、私の若い頃は誰もが「ジムラン」と呼んでいたので私もそうしてました。ところが或る日、ちょっとスカしたお兄ちゃんがお洒落に「ジェビル」なんて口にしたものですから、何だか宝石みたいなその聞き慣れない言葉にとても驚いた記憶があります。
「ジムラン」と聞くと強く逞しい姿がストレートに伝わって来ますし、前述の「ジェビル」と聞くと高級で品のある印象を受けますし、そのまま「ジェイ・ビー・エル」と発音されると端正で律儀な堅物を想像してしまいますし、名前というのは呼び方によって印象はずいぶんと変わってしまうものですよね。私はいつの頃からか「ジェイ・ビー・エル」と呼ぶようになりました。たぶんハーマン・インターナショナルに買収された以降は周囲の大勢がそうだったからなんでしょうけど、あの会社は高級オーディオ・メーカーを数多く傘下に収めてましたから、もしかすると「ジェビル」はハーマンの日本法人が仕掛けたことなのかも知れませんね。違っていたらごめんなさい。

さて、25日ぶりに労働に励んで来た今夜は少々疲れております。こんな夜は「歌もの」よりも、どうしてもこっちの方へ行ってしまいがちです。


ジムランとブルーノート・ジャズ、何故にこれらは相性が良いのでしょう。気持が良すぎます。業務用のスタジオ・モニターは無論のこと、民生機としてもJBLの功績はやはり偉大に感じますね。
リスナーとしての私、ジャズを聴きながらでも焼酎が進むというあたりが極めて日本的なんですが、どっこい日本人として、これは王道ですよね!