2013年11月20日

一日が終わるまで



長男宅2号機の七五三で、鶴岡八幡宮へお参りに行ったんだとか。
今日写真が送られて来た。
姿勢はいいけど・・なんて顔してんだい、まったく(笑)

子供の成長は早いもので
三人の孫、どの子も会う度に驚かされる。
こいつもようやく一端の男の子になってきたようだ。

時間の経過、季節の移り変わり、行く年来る年、
毎度のことながら、その流れが早すぎて怖いね。
こちとら、老け込む一方だよ。

いくら気持ちは若いからと言っても
肉体の衰えは否めない現実。
これが一番堪えるんだよなあ。

嫌なことや、嘆かわしいことも
淡々とした日々を過ごす中で
空が綺麗だなあと思う瞬間は
些細な出来事を忘れ大らかな心を取り戻す。

けれどその一方で
刻々と時は過ぎて行くわけで
残された時間を浪費してるような呵責に苛まれることもある。
日常ってやつは、そのサジ加減が難しい。

波風立たぬ淡々とした日々には
思わぬ落とし穴があるってことまで忘れてしまう。
これが平和ボケってやつだろうな。

暖かな部屋で気持ち良さげに寛ぐ猫を見ながら
堕落せぬよう人間としての己を戒めなきゃ。

・・なんてね。



蔵出し音源「一日が終わるまで」 1995
(アクロス・ザ・・もろの遊び心に満ちたアレンジであります)笑
http://kazura-sound.up.seesaa.net/image/itinitigaowarumade64k.mp3


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2013年11月19日

道産子でありますゆえ


昨夜のうちに用意しておいた書類を持って郵便局へと向う。
A4が三つ折で入る長形3号に入れたので速達料金を合わせると¥350!
なんとも癪に障る手痛い出費だ。
あまりにも馬鹿らしいので簡易書留も配達証明も付けなかった。
あー腹立たしい。

そんなくだらん用件のためだけに家を出るのが納得できず
敢えて車で出掛け、他の用事も済ませることにした。
郵便局の後で西友に寄り、娘婿のご実家へ贈るお歳暮を注文したり
(先方から毎年届けられるので、唯一其処にだけは贈っているのだ)
銀行に行き数ヶ月分の通帳記入をしてみたり
(ふだんはネットバンキングとコンビニのATMしか使ってないのでね)
それと、ここ最近のクジ運の良さに気を良くしてロトとBIGを購入したり
(チマチマした当たりクジで運を使い果たしたという説もあるが・・)
ひと通りの用を済ませると幾分は気持ちが楽になった。
天気もいいので、ちょいと走ってみるか。

16号旧道から中原街道へ出て、都岡のユニクロを覗いてみた。
店内に入ってみると、レディースとメンズのコーナーが以前と逆の位置になっていて
並んでいる商品のプライスがどれも安いので、あれ?と思いながらよくよく見ると
そこはいつの間にかGU(ジーユー)に変わっていたのだった。

噂通り、確かにどれもが安い。
更に期間限定の特価品が並び、品質もさほど悪くはないようだ。
うーん、この地域の客層を考えればGUにしたのは正解かも知れないな。


ふと、地味に置かれた商品に目が行く。
ツイードテーパードパンツ、期間限定価格¥1290!
私の好きな裾幅の細いデザイン、さっそくMサイズを試着してみる。
おお!腰周りゆったりで楽チンではないか!おまけに丈がピッタンコ!!
理想的な仕事場用のパンツだあ~と、大いに盛り上がる。
(若い人なら腰パンとして履くものだろうが、足の短い私にはフツーの丈なのだ)笑

ま、いいのだ。安くて好みのデザインだし
形状的には横ポッケのスラックス系なので、仕事場でも違和感は無いだろう。
日頃はコーデュロイや色物系のジーンズでお茶を濁しているもんで
この手のパンツなら仕事場で一人だけ浮いてしまうことがないのも有り難い。
おほほほ、ええ買いもんですなあ。

しかしあれだ。
丈がピッタリということは、この画像が私の足の長さそのものというわけで・・
短っけえー!クロップドパンツかよー!!
と、自らツッこむ有様。

所詮、道産子でありますゆえ。

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2013年11月18日

愚痴



仕事場も業務内容も仕事量も、全く何にも変わってないのに
60を迎えた昨年の秋から、私は派遣従業員扱いになっている。
それも系列の派遣会社の一員として。
大きく変わったのは給料だけ、大幅減額に甘んじているのだ。

実はこの(私にとっては名ばかりの)派遣会社、何事も横柄すぎて困る。
同じような書類を何度も提出させられたり、
郵送されて来た封書を開けてみると提出期限が2~3日後だったり
(しかも役所の書類を添付しなければいけないとか)
1週間程度の猶予があるなら話は別だが、毎回これじゃさすがに呆れてしまう。
お役所仕事より酷いじゃないか。

今回は二日前に受け取った封書、年末調整の申告書だった。
開けてみると「11月20日必着」ときたもんだ。またしてもやられた。
書類提出のお願いと題したメールが来たのも今日、
そこにも提出期限11月20日必着!と記されているではないか。
なんだい、この殿様みたいな指示は!
ヤクザな会社だねぇ、まったく。

かくして、しぶしぶ書類の記入を始め添付書類と一緒に封筒に詰め込んだ。
癪に障るが明日は休みなので郵便局から速達で出そうかと思う。
なんたって幾ばくかの金が戻って来るわけだからね。
しかしその送料は自己負担、重要書類だから配達証明も付けなきゃいけない。
まあーったく、やってらんねぇぜ。

書類に細かな数字を書き込むのは肩が凝る。
それ以前に役所の書類の緑色の印字は何が書いてあるんだか判読できず
老眼鏡を掛けなきゃならないのも苦痛なのだ。

ああ・・
今や「御奉仕」の如く安い時給で働いている身としては
このヤクザな会社の一員であることが情けなくなってくる。

愚痴りたくなる夜だ。

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2013年11月17日

夜へ急ぐ人


昨晩に続き、ちあきなおみさんのことを。

コロムビアからビクターに移籍した頃、彼女はファドも歌っていて
1983年に「待夢」と題したアルバムを発表している。
このポルトガルのトラッドを歌う彼女もまた魅力的だ。


「霧笛(難船)」 原曲:アマリア・ロドリゲス 日本語詞:吉田旺


そしてもうひとつ、鳥肌が立つほどの歌が
77年に友川かずきが提供した「夜へ急ぐ人」
これは凄い、彼女でなければ表現できない歌だ。



この人は性を表現できる数少ない歌い手であり
それを出来得るのも彼女だけなのだ。
チャラチャラしたセクシーさではなく
人間の本質的な性を露にできるのは彼女だけだと改めて思う。

そしてこれを紅白歌合戦で歌ったというのがまた凄い。
NHKの首脳陣、さぞかし慌てたことだろうが(笑)
やはり「伝説の歌い手」である。

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2013年11月16日

伝説の歌い手



NHK SONGSで、久しぶりに「喝采」を聴いた。
ちあきなおみさんの歌を耳にすると、やはり今でも戦慄を覚える。

歌は勿論上手いが、声がいい。
太い低域、ハスキーな中域、そして伸びやかな高域。
これらが僅か3分ほどの1曲の中で交互に表現される。
ジャズ・シンガーの発声に近い、こんな歌い手は歌謡界で他には居ない。
ビリー・ホリデイを演じた主演舞台「LADY DAY」
89年のそのミュージカルも、さぞ素晴らしきことだったろう。
この人が歌うジャズ・ナンバーを聴いてみたかった。

活動を休止して20年、
もはや伝説の歌い手となってしまったことが残念でならない。


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2013年11月15日

爺さん度数



車で買い物に出掛け、帰宅してから徒歩でコンビニへ行った帰り道
雨も上がり、いい色合いに暮れて行く西の空を見上げた。
私の家からでは裏の竹薮が西日を遮ってしまい
その時間帯に外に居なければ絶対に見られない空なのだ。
もう少しだけ後だったなら、もっと鮮やかな朱色だったんだろうけどね。
西日の当たる部屋が私の好みなのだが、今はそれも叶わない。

月末に長男宅と末娘宅を含めた全員が集まってパーティーを催すことになっている。
8日、23日、29日と、全て11月に生まれた孫三人の合同お誕生日会である。
同じ月なので一堂に集まり、ついでに翌月のクリスマスも併せて祝う趣旨なので
忙しい親たちやプレゼントを用意する側としては何とも有り難いことなのだが
当の本人たちがもう少し大きくなった頃には損をしてると気付くのであろう。

かくして本日は東戸塚のトイザラスへ。
我が家からだと大池公園と戸塚カントリーの山を越えれば車で15分ほどの場所だ。
品物を選びレジでラッピングをお願いすると「失礼ですがお歳は・・?」と尋ねられる。
毎月15日はシルバー割引きと称して五千円以上の買い物は10%オフになるらしい。
これは初耳!
けど得した気分にはなったものの、一瞬にして爺さん度数が上がった面持ち。
映画をいつでも千円で観られるのと同じく、これはやや複雑な気分になるものだ。


私の部屋に運び込んだプレゼントの袋、大きくて邪魔臭い。
これがあと2週間も此処に在るなんて・・
フライングで届けてしまいたい衝動に駆られるが、ガマンガマン。
はたして小童どもは喜んでくれるのか、月末のその日が気掛かりでもある。

嗚呼、なんてジジ臭い一日だったんだろう。



気を取り直すように、帰宅してからアナログ三昧の続きを始めた。
おもむろに取り出したのはバーズの「名うてのバード兄弟」
これもまたCDでは味わえない奥の深い音の粒が感じられる名盤である。
A面途中に片側から強烈なハムが出始め、フォノ・アンプが逝っちまったかと思いきや
どうやら背面のアース端子の接触不良だったらしく大事には至らなかった。
ここでアンプが駄目になってしまったらダメージが大きいものね。

続いてターンテーブルに載せたのは73年リリースのオリジナル・バーズ。
紆余曲折を経て発表されたこのアサイラム盤は今聴いてもとても新鮮だ。
経験値の上がったオリジナル・メンバーが再会して作り上げた音には
バーズとしてのエッセンスが凝縮されていて心地好いのである。


73年と言えば、私が歌うことをやめてしまった年でもあるけれど
ROCKがあらゆる意味で一番輝いていた頃でもあるし、
ミュージシャンもプロデューサーもエンジニアも、果てはそれに伴う機材まで
60年代から引き継いできた物が完成形の域に達したとも言える時期である。
現在と異なるのはただ一点、アナログだったということだけ。
それ以外は何も変わっちゃいないのだ。

久しぶりにこの東芝盤の見開きジャケットからライナーを取り出してみると
師匠・小倉エージ氏の手による(自筆)バーズ系図が見事である。
これも30Cm四方あるLPジャケットのサイズ故に出来ることなのだろう。
ミニ・アートとも言えるアルバム・ジャケット。
音楽と写真や絵画、それに書籍までもが一体となった物がアナログ盤なのであり
これは決してCDには真似できないことなのだ。


裏ジャケの写真、ジーン・クラークが豪快に笑う顔と
(経験を積んだ)クリス・ヒルマンのポーズが何とも素敵である。
彼らのおかげで、爺さんは未だ若くあり続けられる。
ありがたいことだ。

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2013年11月14日

空色真冬 1995



15号線上り、新子安の駅前を過ぎた辺りだったろうか。
前方を緑色の巨大な「もっこり」が走っているのが見えた。
なにやら全体をワサワサと揺らしながら一所懸命走っている。
色合いからして、移動中の自衛隊の車両かとも思ったのだが
それにしてはフワフワ・ワサワサと揺れ過ぎる。
ピグモンの後姿みたいな、あれはいったい何なのだ!?
(後で気付いたがピグモンは決して緑色ではない)

それにしてもデカイ。
キリンビール前のガードを潜るときは天辺を擦って行った。
デカイくせに足は速い。
他の車と同じように50~60Km/hでスイスイ走る。
その先の信号でようやく追い付き近付いてみると・・

それは巨大な木だった。
葉の間から辛うじて赤旗とテールランプが片方だけ見える
中型トラックの荷台からはみ出した巨木なのであった。
首都圏の国道、白昼にこんなん走っててええの?
素朴な疑問が湧き起こる。
こんな積荷、今まで見たことがない。
iPhoneを取り出し、止まっている間にパシャリ。
世紀のスクープ映像だぜ。

この後、生麦の交差点を直進して行った緑のピグモンは
いったい何処へ向かったのであろうか。
巨大な体をワサワサと揺らしながら走る、その後姿を見送りながら
旅の無事を祈らずにはいられなかった。

異様な光景ではあったけれど
ワサワサと揺れる姿が何とも微笑ましく感じられた午後である。



今夜の(赤面)蔵出し音源は「空色真冬」1995
http://kazura-sound.up.seesaa.net/image/sorairomafuyu64k.mp3


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