歌い納めも
忘年会も
外で戯れることが何ひとつ無いまま
2013年が暮れて行く。
ミュージッシャンの肩書きなど
微塵も感じられず
飲兵衛で助兵衛なオヤジの
面影もなく
ただ一度だけ人前で歌ったきり
今年が終わろうとしている。
けど僕は
一所懸命に生きてきたんだ。
歌を忘れたわけでもないし
隠れたり引き篭もったりしてたつもりもない。
いずれまた何処かしらには顔を出すだろうさ。
音楽にだけはあくせくしたくない。
自由に勝手気ままに
心と体が欲したときにだけ音に触れればいいのだから。
だいいち、僕にはそれ以上のキャパが無い。
日常を乗り切るだけで精一杯だ。
ならばと舟を作ってもらったこともあった。
僕はそれに乗っかっていればいいだけだと言われ
数ヶ月くらいはとても楽しい思いができた。
けれどもそれはとんだ泥舟で
予想していた通りすぐに沈んでしまった。
Mud Trick・・名前からして未来を暗示していたようなもんだ。
名付け親は僕だったんだけどね。
あれからもう5年が過ぎようとしている。
スタジオセッションの「水曜日の朝」
たとえ録音状態が悪くローファイな音であっても
これは今でも一番好きなテイクで
ワインをラッパ飲みしながら演奏していたベースのChiyoや
的確に空気を刻むドラムのガンボ山本
そして寡黙なペテン師Takebooの姿が忘れられない。
もう泥舟には乗りたいとも思わないが
明日をも知れぬあの時のスリル感だけは大好きだったな。
http://mudtrick.up.seesaa.net/image/suiyoubi-demo-0501.mp3
もうじき来年てやつがやって来る。
日常を否定することなく
その中でうまく生きて行かなきゃな。
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