2014年7月9日
惨劇
2時間ほど寝て、まだ明けきらぬ朝の
薄暗い部屋でテレビを点けた。
10分ほどしてコーナーキックからドイツが先制点。
こりゃあ面白くなりそうだ、ちょっと身を乗り出して観ていると
まさかまさかの前半だけで5得点の猛攻と相成る。
猛攻?違うな。
ドイツは冷静に余裕のパスとシュートを繰り返し、競った場面はほとんど無い。
その訳は、ブラジルのディフェンスが全く機能してなかったのだ。
これには興醒め、とてもワールドカップを勝ち進んできたチームとは思えないほど
赤子の手を捻るように、ドイツの無慈悲なシュートがゴールネットを幾度となく揺らす。
結果は誰もが予想だにしなかった7-1のスコア。
3点目あたりからはブラジルのテレビ局の解説者が泣き出したとか。
それ以上に、開催国である国民の落胆は相当なものだろう。
サポーターは口々に「恥」を連呼していた。
4年に1度、国を挙げて決するワールドカップはナショナリズムに満ちているものだから
選手諸君には気の毒だけれど、無様な試合をした者たちは自国民から罵られる。
メディアはベロオリゾンテの悲劇と称したが、
これはもう「惨劇」と呼んだ方がいいだろう。
間違いなく後世まで語り継がれる屈辱的な試合だったのだから。
さて、ちょっとばかり仮眠して
オランダ・アルゼンチン戦のキックオフに備えよう。
地球の裏側に居る僕らは熱くなることもなく、ただただ楽しむだけ。
呑気なもんだ。おまけに醒めている。
問題は寝不足だけという、とても平和な国なのだ。
*
2014年7月7日
うんちく
一昨日ご紹介したAshtonという格安フォスファーブロンズ弦。
オーストラリアのメーカーが中国工場で生産している代物だが
張ってから数日経過した今も、なかなか良い響きを持続している。
¥340とは言え、これは案外といいんじゃないかしら。
知っての通り、僕は格安弦愛好家だ(ケチとも言う)
高価なコーティング弦には目もくれず、ひたすら安い物を物色する。
そして安くて良い物を見つけると嬉しくなってしまうのだ。
弦は、一晩のライブに耐えてくれればそれでいい。
寿命は一夜限りで良いのだとさえ思っているくらいだ。
故に、金なんて掛けていられない。
それでも音質とピッチが悪くては使い物にならない。
ブチブチ切れても困ってしまう。
安くて良い物を見つけるのは結構大変なのである。
去年まではDARCOのD-2200というのを愛用していた。
某楽器店がオリジナルのパッケージに入れ替えて販売していた物で
質が良いのに¥350と、これまた驚きの内容だったのだ。
これをお店に頼んで、移し変える前のオリジナル箱で纏め買いしていた。
(手間が省けるので、お店の人も喜んで売ってくれたしね)
ところが或る日、いきなり¥500に値上がりしてしまったのでやめた。
その値段では格安の域を超えてしまうし、おまけにダダリオが買えてしまう。
オーソドックスにダダリオにしようか・・
少しだけ悩んだけれど、当たり前の物は使いたくない。
するとこんなのが目に付いた。
アリアプロⅡ、3セットで¥500の超破格値!
さすがにこれは眉唾物だったけれど試しに購入してみた。
(この不必要なほどの探究心に呆れることもあるが・・)
実装してみると絵に描いたような中国製のバッタもん。
チューニングするそばから弦が伸びる伸びる(笑)
数日後に伸びきったらようやく音が合うようになった。
これじゃ使い物になりゃしない。
けれど案外と音はいい。太い低域とテンションの低さ、好みである。
うーん、しかし他を探すとしよう。
その後しばらく、良き物に出会えなかったので
やむなくマーチンのブロンズを使っていた。
どこにでもある当たり前すぎるほどの弦だ。
これも格安弦の部類には入るが、当たり前すぎてつまらない。
おまけに音もタッチも好きにはなれない。
なあんか、ええもんないかしらね~
そんなときにAshtonと出会ったわけである。
音が太くてテンションが低いところはアリアによく似ている。
(中国製の特徴なのかしら?)
でも伸びてチューニングが合わないなんてことはない。
ほほお、こりゃあええわ。
70年代初頭の、マーチン弦のベロ~ンとした音。
あの懐かしさがあるのですよ。
どなたか試しに使ってみてくだされ。
ちなみにWEBでは、ほとんどのショップが¥340なのだが
¥250で販売している所があってそのサイトを開いてみると
最近導入した優れもののアンチウイルスソフトから警告表示あり。
「危険!このサイトではクレジット情報は絶対に入力しないでください」とな。
どうやら噂に聞いた中国系の詐欺サイトのようだ。
騙されないように注意してね!
*
2014年7月5日
浮世の憂さを晴らす
今朝は5時前に起き、ブラジル・コロンビア戦を観戦。
さすがにこの段階ともなると両者互角の戦いで
正確なパス回しを見ているだけでワクワクさせてくれる。
流れるような試合展開は90分をとても短く感じさせ、
寝不足ではあってもストレス無く楽しめたことに満足した朝だった。
泣き腫らすロドリゲスの姿も印象的だったけれど
勝者と敗者は紙一重、素晴らしいゲームだったと思う。
ただ、背後から跳び膝蹴りを喰らったネイマールの骨折は
これからの対戦カードに水を差さされたようで残念な結果ではあるが・・
早起きついでに(珍しく)午前中から病院へ出掛けた。
前回の診察から2週間が経ち、今日は(痛い)処置が無いことを祈りながら。
幸い前回のような痛いことはされなかった。術後の経過は良好とのこと。
けれど完治まで3ヶ月掛かるかも、と医者から言われた。
手術前に聞いていたのは2ヶ月だった筈だが
傷口を縫うことが出来ない箇所なので時間を掛けた方が良いらしい。
こうなったら開き直るしかないが、気の済むまで飲めるようになるのは
いったいいつのことなんだろうね。
病院を出てから横浜駅まで歩いてみた。
いつもだと来るときと同じ平沼橋まで15分ほど歩くのであるが
或る方から「横浜の方が近いんじゃないの?」と言われたもので
雨が上がっていたこともあり気分良く歩いてみたのだ。
結果、やはり遠いね。
人も車も多いせいか、時間が余計に掛かってしまう。
土曜の夕方の人ごみを避けるために裏道を選んで歩きながら
ダイエーの中に在るイシバシ楽器とレコファンを覗いてみた。
アッシュトンというオーストラリアのフォスファーブロンズ弦が目に付いた。
生産国が中国なので何たって破格のプライス税込¥340!これは安い。
12-53のゲージなのに何故かミディアムという不思議もあるが
その「ミディアム」という響きがアコギ弾きには心地好い。
実用に耐えられるものなのかどうか、いずれレポさせて頂くとするが
試しにエピに張ってみた感じではなかなかの感触。
テンション低めでちょっと面白いかも。
さくっと覗く(だけの)つもりで階下のレコファンに立ち寄ると
日頃お世話になっているハードオフとは比べ物にならぬほど
品質も内容も充実した餌箱を(やはり)漁り始めていた。
やや低めのプライス設定だったので、手放してしまった往年の盤を5枚ほど買う。
(ここは5枚以上買うと1枚あたり¥200ずつ割引きになるのだ)
して、本日の収穫。
この5枚で〆て¥3000なら
まずまずだと思うんだけど、どうかね?
さて、今夜はアルゼンチン・ベルギー戦だ。
昨日までの浮世の憂さを晴らさねば。
*
2014年7月2日
We shall overcome
体制と反体制
機動隊とデモ隊の衝突
飛び交う火炎瓶と催涙弾
60年代に自分が見てきた
そんな騒乱の時代が過ぎ
この国は平穏を取り戻したかのように
大きく豊かになって行った。
声高にイデオロギーを叫ぶ者
マルクスやレーニンを崇拝する者たちも
いつの間にか居なくなってしまった。
挫折と逃避
虚無感に満ちた言葉の響きだけが
枯葉と一緒に街路を覆っていたような
そんな遠い昔の記憶が蘇るとき
今でも何故か泣き出しそうになる。
その50数年前に覚えた感覚が
まさか現代になってから再び体感することになるとは
思ってもいなかったのである。
涙は、喜びや悲しみだけのものではない。
そこはかとない怒りが込み上げたとき
それがある種の感動を伴って流れ落ちることもあるのだ。
その感動とは
思いを同じくした膨大な数の群衆の波である。
その巨大な波が空気を震わせ、魂を揺さぶってくる。
強大な力で人民の声を押し潰そうとする国家権力と
生身の体で対峙して正義を貫く理由は一体何処にあるのか
明確にそれが伝わって来た瞬間に
僕はボロボロと一目を憚らず泣いたのだ。
そんな遠い昔の出来事が
今また繰り返され
誤った方向へとこの国は進もうとしている。
抗議の声と数万の群衆を目にして
やはり僕は泣いてしまうのだった。
We shall overcome
60年代のあの日
この曲を皆で歌ったときも泣いていた。
それは今でも変わらず
この曲を聴く度に泣けてしまうのだ。
2014年6月30日
責任者不在の国家
専守防衛を掲げて自衛隊が発足したのは1954年7月1日。
明日はその60周年という記念すべき日だそうで
期せずして同じ年に生まれたのが安倍晋三だったというのも
偶然を通り越して因縁めいたものを感じてしまう。
今夜、首相官邸前には4万人もの人が溢れた。
一触即発の緊張が続く世界の紛争地域で
日本が引き金を引いてしまうことを恐れる国民の声だ。
明日からは合法的に戦争に加担できることになるなんて
憲法九条の歯止めは何処へ行った?
法律で認められていない事を行使できるなんて
いったい何のための憲法なんだ?
この国が戦後一貫して拒み続けた武力行使が解禁となったからには
諸外国に対して我が国が戦闘可能であることを宣言したことになる。
赤い某国は危険な挑発をエスカレートするだろうし
また或る国は前線の露払いとして、都合良く利用するのだろうが
その「最前線」に立つのは命令を下した者ではない。
若者たちを戦場へと送り込むのは
弾丸も砲弾も飛んで来ない机上で論議する馬鹿者どもだ。
YESもNOも明確に言えない国家が
ひとたび引き金を引いてしまえば
ただそれだけで白か黒か、赤か青かが明確になる。
もう今までのように言葉を濁したり言い逃れなど出来やしないのさ。
責任者不在の国家が集団的自衛権を行使して
その後始末と責任はいったい誰が負うというのだろう。
「私が責任を持って!」と、今まで何度も聞かされたが
その場凌ぎだけであって、そもそも責任を取れるような者などこの国には居ない。
それが空恐ろしいのだ。
こうして六月は終わって行く。
*
2014年6月28日
高騰
およそ1ヶ月ぶりの仕事場へ向うため
久しぶりに1号線を走ってみました。
土曜だというのに幾つか工事箇所があり
すいすい~っと走れなかったことが想定外。
走っていて驚いたのは街のスタンドの価格。
セルフの最安値で159円でしたが、ほとんどの店が160円超え。
僕が利用している産業道路沿いのスタンドは何と165円まで上がっていました。
車を日常的に使う者にとって、これは痛いです。
ニュースで見掛けたとは言うものの、実際に目にすると驚いてしまいます。
(なんたって、娑婆から1ヶ月遠ざかってましたから浦島太郎状態ですもんね)
消費税が上がった途端に追い討ちをかけるような原油価格の高騰。
庶民の懐直撃、こりゃいかんです。
税収でウホウホ喜んでないで何とかしてくださいよ、永田町のオヤジども。
公用車のガソリン代だって、あたしらの税金ですぜ。
嗚呼、テーネンピー!の車が欲しい。
ちなみに最安値のスタンドはNo Borderのすぐ近く、ガーデン下の信号の角。
次回からここで給油することにします。
そのNo Border、今夜は盛り上がってたんだろうなあ・・
*
2014年6月27日
いずれまた何処かで
まだ100%の体調ではありませんが
世の中から忘れられないよう、明日から社会復帰する予定です。
僕の場合、完治までは二ヶ月かかるということですから
術後一ヶ月が経過した今頃がちょうど良いのかも知れません。
惜しむらくは・・
快気祝いの一杯を堪能することが出来ないまま出陣することであり
娑婆に戻る前に旨い酒を飲めなかったことが極めて残念であります。
治療の一環として、ある状況に進展するまで酒は止められているのでして
通常は術後2~3週間でその兆しがあるらしいのですが
僕に関して言えば、全くそこまで至ってないどころか
月曜の診察では患部の不具合から簡単な処置を加えられたくらいです。
(これがちょっとばかり強烈で、三日ほど鈍痛が残ってしまいました)
いずれにしても・・
冷たいビールが限りなく旨い季節、
早く飲ませろ!!と、乾いた喉が訴えております。
とは言っても退院してからの2週間、
静養という名の贅沢な時間だけは天の恵みでした。
散歩や昼寝の合間を縫ってアナログ盤の手入れや楽器のメンテ、
はたまたパソコンのパフォーマンスを改善するための作業など
暇を持て余していなければ出来ないような事柄の多くを終えられたのは助かりました。
(ただ、そのせいで若干の引き篭もり状態に陥ってはいますが・・)笑
今日は長期休養の最後として古くからの相棒、J-45のメンテを施し
まだまだメインで使えるという感触を得るに至りました。
Epiphoneに浮気していたことが戒められたような気がします。
いつ使ってくれるのさ?そう問い掛けられたのですが、
とりあえずは酒が飲めるようになるまで待ってくれと言い聞かせました。
腐ってもGibson、長らく仕舞い込まれていた彼女のそんな主張を感じてしまいます。
次のライブにはこの娘を連れて行きましょう。
ところがひとつ残念なニュースが。
僕のホームとも言える反町のNO BORDERが今月いっぱいで閉店することに。
実際には別の場所で新たにオープンするらしいのですが
1号線沿いの(あの)古びた佇まいが無くなってしまうのは
復帰後の8年ほどお世話になった僕としてはとても悲しいことです。
想い出がぼろぼろになるくらい、いっぱい詰まっていますからね。
明日と明後日の土日はファイナルとして飲み会が催されるらしく
ゆかりのミュージシャンが大勢集まり大変な賑わいになることでしょう。
僕もその一人ではありますが、諸事情から今回は顔を出せないのが悔しいところ。
ボーマス、不義理で申し訳ありません。
この歳になってしまうと、様々な別れを経験したせいなのか
去り行くものたちを平然と(冷静に)見送るようになりました。
感情の泉が枯渇したのでは?と言われそうですけど、
いやいや、じきにまた会えるだろうさという
楽観的な気持ちが支配するようになったのです。
「いずれまた何処かで」
確約の無い、そんな出会いを期待することの方が
無計画で人生を放浪する僕には楽しく生きられそうですからね。
これもまた「ごきげんよう、さようなら」の語り口に似ています。
みんな、また会おうね!
アンチウイルスを動作の軽さと検出力の高さに定評のあるソフトに替え
旧いパソコンが生まれ変わったかのようにサクサクと作動する
そんな環境に改善されたデスクからのBlog更新でした。
このフリーソフト、優秀です。
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