久しぶりに恐怖心を抱く揺れ方をした夕刻の地震でした。揺れ始めから本震の波が来るまでほんの数秒、縦揺れから一瞬で大きな横揺れに変わったときは3.11を思い出してしまいました。「災害は忘れた頃にやって来る」その言葉通り、あの忌まわしい出来事から学んだ多くのことが、日常生活にどれほど生かされているのだろうかと考えてしまいます。地震大国ニッポン、喉元過ぎれば・・などと呑気に構えてなどいられません。何をどう準備しておくか、どう行動するのが最善か、もう一度思い起こしてみましょうね。
さて、昨晩の「december's children」に続き、今夜もストーンズで始まりました。廉価盤の音の粗悪さに悪酔いしないようオリジナル盤で聴いております。
実は私、この「12X5」が一番好きなのでありまして、ストーンズを聴きたいなあと思ったときは昔からこれを好んで掛けることが多かった気がします。チャーリー・ワッツのタイコが合ってなくてもいいんです、ちょっとユル目で彼ららしい演奏が聴けるのと選曲の良さがその理由でしょうかね。裏表があっという間に終わってしまうんで、いつも2回ずつ掛けています。そしてこれが終わると・・
このアルバムへと移るんですが、その流れがとても落ち着くんです。入念なリハのせいなんでしょうか、演奏もかなり纏まっていて安心して聴くことができます。「12X5」の浮き足立った感じが無く、どっしりと構えた雰囲気が伝わって来ますし、楽器のバランスがとてもいい感じです。この時代のアルバムの中では、ビル・ワイマンのベースとキースのギターが一番良く絡んでるんじゃないでしょうか。選曲の良さも「12X5」を上回ってます。秋から冬にかけての季節にはこれがいいですね。
ああ、いつも思ってしまいます。
擬似ステレオではなくMONOで聴けたらもっといいだろうに、と。
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2012年11月23日
abkco(アブコ)の謎
デッカ時代のストーンズのアルバムは今でもLP盤でほとんど持っています。好きでしたから。けれど今では針を通すことが無くなってしまいました。だって片面が終わるのがあっという間で掛け替えるのが忙しないんですもの。
そこで今夜は廉価盤の宝庫アブコからリリースされていた2枚組のアルバムを引っ張り出してみました。初期から「山羊の頭のスープ」あたりまでのヒット曲を集めた内容の物ですが、このチープ感がムンムンしたジャケットが嫌いで一度も掛けたことの無かった代物です。おまけに1枚目のA面には9曲も収められているもんですから、細い音溝がレーベルのすぐ近くまで無理やり刻まれていて音が悪いやらダイナミック・レンジが乏しいやらで、レコードの質としては最低に近いものであることが私を遠ざけていた理由でもあるのでした。
でもね、ジャケットの品が悪かろうが音が悪かろうが、曲数が多いんなら掛け替えの手間も省けるってことですから、こうしてパソコンに向かいながらでも気兼ね無く聴いてられるんじゃないかと思い、今夜初めて中身を取り出してみた次第なのであります。が、笑っちゃうほど音質は悪いです。圧縮のし過ぎなのか、音圧がワウっぽく変動するほどに。
アブコという会社は謎が多くて、いったいどうやって版権を手に入れたんだろうと不思議に思うようなアーティストのベスト盤を安価で数多くリリースしていました。当然マスターはオリジナルじゃないんでしょうけど、カッティングの粗悪さは相当なものです。そんなこのアルバムですが、日本ではRVCから(まともな価格で)販売されていたというのが驚きでもあります。お?B面の「黒くぬれ!」から突然音質が良くなりました(笑)
ふと中を覗いてみると、ライナーノートを今は亡き中村とうよう氏が書いていました。呟きにも似た短い文章ですが、ストーンズを己の座標軸と表現するあたりは流石ですね。
さてさて2枚目にしてみましたが、この盤の音は明らかに変ですな。コンプ掛け過ぎのワウッた音だけじゃなく、時折回転が落ちたようなピッチの変化まで生じます。いわゆる回転ムラ的な音、あーなんだか気持悪くなってきました。悪酔いしそうなので他のディスクと取り替えることにしましょう。聴きたいときは手間暇を惜しまずにオリジナル盤で聴け!ってことかもですね。教訓になりました。
それにしても、当時こんな粗悪品を正価で販売したRVCに苦情は無かったのかしら?私は白ラベルのサンプル盤だったので被害はありませんでしたけど・・
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2012年11月22日
DO YOU BELIEVE IN MAGIC
近頃はリスナーに徹するばかりで、暫くの間ライブからは遠ざかりそうな雲行きであります。なんたって楽しいんですもの、古いアルバムの音の中に思い出や新たな発見があったりして。まさに温故知新ですな。自身の原点を掘り起こして見つめ直すことも時には必要なんでしょう、きっと。ある意味、旅みたいなもんだわなあ~と思いながら毎夜さまざま聴き漁っています。
今夜はジョン・セバスチャンから始まりました。このファースト・アルバムも実に良い内容です。MGMのアナログ盤は傷みが激しくてトレース出来ないのでリプリーズ盤のCDで聴いてますが、この時代のマスター音源は時折歪んでる箇所があるようで、ジリジリと割れ気味の音はアナログ盤のせいだけじゃなかったようです。(ステファン・スティルスのセカンドあたりにも、ストリングスの入った分厚い音の部分で少し歪んでいる所がありましたから、ミックス・ダウンの時にオーバー・レベルだったのかも知れませんね)
他のアルバムをもう一度聴き直してみたいなあ・・そう思ってはみても、「フォー・オブ・アス」も「ターザナ・キッド」も「ウエルカム・バック」も、みーんな手放してしまっていて手元には残っていません。なんてこったい!それじゃあとAmazonを見てみると、どれもびっくりするくらい値が上がってました。廃盤だらけなんですかねぇ?米国盤で持っていた物すべてを売り払ってしまったことが悔やまれます(泣)
因みにこのジョン・セバスチャン・ファースト、レコーディングの最中にリプリーズと契約したことから、全く同じ内容のアルバムがジャケット違いでMGMとリプリーズの2社から発売されたという経緯があるんです。契約切れのMGM盤は初回プレスのみだったそうであまり市場には出ておらず、我が家にあるこれはかなり貴重な代物のようです。ただし、所有権は女房。彼女が高校生の頃に「ジャケット写真の良い方」を選んで購入したそうです。確かにリプリーズ盤の方はナンジャコリャア~でしたからね(笑)
さて、お次はラヴィン・スプーンフルが流れている今夜の私の部屋、なのであります。
DO YOU BELIEVE IN MAGIC!
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2012年11月21日
You'd Be So Nice To Come Home To
You'd Be So Nice To Come Home To 「帰ってくれれば嬉しいわ」
ヘレン・メリルがクリフォード・ブラウンをバックに歌ったこの曲には、大橋巨泉の「名誤訳」と言われる邦題が付けられました。正確に訳すと「君が待っていてくれるのなら、家へ帰るのはさぞや楽しいことだろう」となるらしいのですが、誤訳とは言えあまりにも素敵なタイトルだったのでそのまま世に出されたというのが真相のようです。確かにこのジャケット写真と、切ないほどの彼女のハスキーな声を聴いてしまうと「帰ってくれれば嬉しいわ」そう歌われていると思う方がより現実的に感じてしまいます。
私は40年ほど前にこの歌を初めて耳にした時に、原題と邦題の両方を同時に覚えてしまいましたから、今でも誤訳の方がすんなりと入って来るんですが、この時代の音楽や映画の「邦題」には、それと類似した傾向が数多くあったように思えます。誤訳とも意訳とも取れない、かなり微妙な線であっても真実が伝わって来るような、今で言うキャッチ・コピーに近いものだったんじゃないでしょうか。当時のレコード盤のタスキに記された邦題もその典型でしたから、情報の少なかった時代に私たちはそこからイメージを膨らませ、様々に想いを巡らせていたものです。それらから思いもよらず恩恵に授かることもあるのですから、間違いというもの全てが悪だとは決め付けられませんよね。非常に難解な日本語の言葉と文法、受け止め方によって意味が変わってしまうのは避けられないことですし、受け手側の自由な解釈に委ねられるのはむしろ素敵に思えます。
それにしても、このアルバム・ジャケットは素晴らしいですね。私のお気に入りの一枚です。チューブのコンデンサー・マイクに向かって歌うその顔、そしてマイクのボディに重ねた文字、レコーディングのリアルさが伝わって来る秀作です。私にとっては、この写真と「You'd Be So Nice To Come Home To」は、今でもイコールであり続けているのです。
「帰ってくれれば嬉しいわ」
その叶わぬ想いが、今夜も焼酎と共に更けて行きます。
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2012年11月20日
marantz
時代に逆行するかのようにアナログの音を重視する私にとっては、高級機としてのみ残された製品には高額すぎて手が出せず、もはや中古製品を購入するしか道が無かったわけですから、現行のモデルに見向きもしなくなったのは当然のことだったと言えます。
そこでよく活用したのがハード・オフ。価格の付け方に少々のバラツキはあるのですが、そこを上手く見据えて行くと買い得な物が見つかります。ジャンクの中から数千円で程度も良く完動品のお得な製品が手に入ることもありますから、今までずいぶんとお世話になったものです。
先日ご紹介したDENONのターンテーブルが良い例で、私はDP-1700の極上品を¥8000で購入することが出来ましたが、同じ陳列棚にはグレードの低いDP-790が何と¥16000で置かれていました。こんな逆転現象もありますから見ていて楽しいんですよね。
私の部屋に置かれている現在のオーディオ製品は、スピーカーを除いてアンプもCDプレーヤーも全てハード・オフからジャンクで購入した物です。確か五千円前後だったと思いますが、6~7年経過した今なお元気に動いてくれています。ただ「中古の中古」であるだけに、いつプッツンするかその辺りが心配でもあるのです。その時はまたジャンクで見つけりゃいいじゃないか、そう思われるかも知れませんが、アンプに関しては近頃あまり良い物が有りません。そりゃそうです、旧い物は更に旧くなってるんですから、フォノ端子が付いた程度の良い製品を見つけるのは容易ではないのです。
そんな折、往年のマランツは今どうしているのかしら?と思いネットで探してみると、未だ新製品を世に送り出しているようです。嬉しいことに現行機にもフォノ・イコライザーを搭載してました。パーツはかなりランクを落としてるんでしょうけど、シュアーのようなMM型で出力の高いカートリッジであればSN比も問題なく使えることでしょう。しかも安い!エントリー・モデルのPM-5004であれば2万円程度で売られています。
現代風な顔つきではありますが、とても品の良い印象を受けます。角にRを付けて丸みを帯びた厚手のフロント・パネルもいいデザインじゃないですか。マランツさん、いい仕事してますなあ。
これ、気に入りましたんで手元のアンプが他界した折には(新品で)購入したいと思います。もちろん、中古で安くて良い物が見つからなかった場合に限りますが・・
marantz PM-5004 http://www.marantz.jp/jp/Products/Pages/ProductDetails.aspx?CatId=HiFi&SubCatId=Amplifier&ProductId=PM5004#.UKupIOSzsxE
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2012年11月19日
冬なんです
故郷である北海道を離れ、都会に移り住んでから40年以上が過ぎましたが、当時のそこでの暮らしは一年の大半を厳しい寒さと対峙していたような気がします。冬が近付いて来るその気配に怯えながら、動物的な本能が働いて身構えたとしても、どうすることもできないまま縮こまるしか成す術が無いほどに、厳寒の地の凍てついた冬は例えようも無いほど長く感じられたものです。
季節や時間を体で感じられない都会での生活に慣れてしまうと、どうしても冬をナメてしまいます。紅葉が遅れるほど温暖な秋が長引いたりしようものなら、その痛いほどに厳しい冬の存在を忘れてしまい、或る日突然急な冷え込みに襲われてから慌てふためくのです。
今や私の体もそのご他聞にもれず、冬に対する身構えが全くできなくなってしまいました。心の準備もままならず今夜の寒波には完敗です。冷房装置の夏が行き暖房装置の冬が来る、都会には四季が無いどころか、2極の温度管理によって肉体が自然を捉えられなくなっているんでしょうね。情けないことです。
その北海道、友人のBlogによると今夜は雪が降っているそうです。都会暮らしをやめて実家へ戻り、二十数年ぶりに体感する「本物の冬」に怯える姿が言葉に表れていました。
さて私はというと、
冬の夜がよく似合うサンディ・デニーを聴きながら、遠い田舎のことを思い出しているのです。
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2012年11月18日
トラッドに浸る
本日Amazonの大阪物流から、注文していた数点のCDが到着しました。全てUK盤のブリティッシュ・フォーク、もう一度勉強し直そうかと思いましてね。オムニバス盤が2点とフェアポート・コンヴェンション、サンディ・デニーなどなど有名無名含め、例によってお安い価格の物ばかり(笑)
写真はその中のTHE BEST OF BRITISH FOLK、サブ・タイトルにはフェアポート・コンヴェンションの「The Heart of the Song」と銘打たれてまして、いきなり1曲目はその歌で始まるんですが、心地好い流れで18曲があっという間に終わってしまいます。これは楽しい!ラベル面がアナログ・ディスク風に作られているのも好感が持てます。
このオムニバス盤は通常の1枚用の厚みのプラ・ケ-スにディスクが2枚収まって、外装にはジャケットと同じデザインの紙箱が付いているんですが、¥700とは思えない装丁と音質にびっくりしました。私が全く知らないアーティストも数多く収録されてまして、そのトラディッショナルならではの雰囲気がたまらない魅力となっています。歌もフィドルも、このウエット感はやはりいいですね。
こんな感じで、プラケースを開くと更に真ん中にプラ板が付いていて、その両側にディスクが2枚収まっています。このプラ板が薄くて心許ないのとディスクの取り外しに少々難儀するんですけど、そこは2枚組36曲入り¥700という格安さに我慢することにしましょう。・・馴染んでくる前に壊れてしまうかも知れませんけど(苦笑)
フェアポート・コンヴェンションほどには今まであまり聴く機会はありませんでしたが、マグナ・カルタもいいですね。「シーズンズ」あたりが欲しくなってしまいました。いずれにしてもこのTHE BEST OF BRITISH FOLKと、同じく2枚組のGREAT BRITISH FOLK、これらのオムニバス・ディスク4枚72曲でしばらくは退屈しないで済みそうです。
わ、Ewan MacColl (with Peggy Seeger)のバンジョーと、グレース・スリックばりのボーカルを聴かせるThe Albion Bandのライブもいいなあ~♪Judy Dunlopの「The Sun And The Moon」も素晴らしい!!
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