2015年1月21日

似非



似非オーディオ評論家のかずらです。
尻軽男の浮気話、
そう解釈されても構いません。
けれど、惚れたからには
やっぱり書き記しておきたいのです。

初代SX-3を返品して新たに購入したSX-3Ⅱ、
先代のコンディションがあまり良くなかったとは言え
比較にならないほどの高音質に驚いてます。
70年代万歳!その時代のアルバムの音が瑞々しく鳴り響くんですから。

先代も良かったんですが、
どこか重たく粘っこさが強すぎる感がありました。
ソフトドームのツイーターが改良され、
クロスオーバー周波数が1.8KHzに変更されただけなのに
こんなにも音の表情が変わってしまうことにびっくりです。

たっぷりとした低域はブーミーにならず適度に締まり
評価の高いソフトドーム・ユニットの高域は癖が無く
アッテネーターを全開にしてもやかましくなりません。
初代SX-3はややドンシャリ気味でしたから
二代目となったSX-3Ⅱの音作りは成功してると思います。

たぶん・・ですが
発売当時、クラシック愛好家からは弦の音に艶があると脚光を浴びたものの
ロックやジャズを聴いていた連中からは敬遠されていたことから
分解能と張り出し感を加えてオールマイティな所を目指したんじゃないでしょうか。
事実、僕も今回に至るまでこのスピーカーを信用してなかったくらいですから。
後にも先にも、これを使っていた友人知人の類では
ナイアガラ・ムーンの裏ジャケに写る大瀧詠一氏、ただ一人でした。
(さすが御大!目の付け所が違う!!)

でもね、決してカラッとした明るい音じゃないんですよ。
どこか憂いを含んだような、いわゆる色艶を感じるあたりが
JBLなどとは違って「日本の音」なんだろうなと受け止めてます。
今の自分は、そこが心地好い理由なのでしょう。
以前このBlogで、SX-3は日本語が綺麗に聴こえると記したことがありましたけど
それはきっとこのスピーカー独特の艶に起因してるんでしょうね。


とは言っても、英語だってもちろんいい。
たとえばこのボビー・チャールズ、篭り気味の声もハモンド・オルガンも
ベアズヴィル・スタジオの空気感まで上手く表現してくれます。
このアルバムを持ってる人ならわかると思いますけど
スピーカーによってはボーカルのsやthの発音が強調され過ぎて
ほんのちょっとだけ歪んでしまうんですよね。
ところがSX-3にはそれが無い。
その辺りの音作りが実に巧みで感心してしまいます。
往年の日本ビクターの技術力は凄い!

さて、
お誘いを受けたライブ・イベントが刻々と迫って参りました。
一日のほとんどをリスナーとして過ごした休日ではありますが
少しだけ楽器に触れてみました。


やはりこれが、一番信頼のおける相方なのだと
改めて実感した次第なり。
さてさて、何を演りましょうかねぇ・・

明日は孫(2号機)の学芸会観覧のため
鎌倉まで行って参ります。

*

2015年1月20日

Peace!


街角で
合法的に拳銃をぶっ放して
躊躇うことなく射殺できる国もあれば

どんなに危機が迫っていても
腰の拳銃を抜くことさえできない国もある

テロには屈さずの言葉通り
多くの人質の命が犠牲になろうとも
大量の火器を用いて強行突入する国があれば

まず第一に説得を試みて
命が失われることなく穏やかに
事を終わらせようとする国もある

この差は大きい

諸外国と我が国の間には
決して埋めることのできない大きな相違があるのだから
今さら集団的自衛権なんてことは
言い出さない方が良かったに決まってる

じゃあどうするんだと問われれば
Peace!と言い放てばいいじゃないか
僕らは戦いを好まぬ人間なのだから
それも立派な「思想」と成り得るのだ

無抵抗の人間にバンバン銃弾を浴びせても
法が定める処であればそれが許される国とは
あまりにも違いすぎる国民性の島
それが日本だ

中立の姿勢は
卑怯者でも腰抜けでもない
小さな島国の外交手段なのだと
僕は思う

*

2015年1月18日

根っからの浮気者ですから


愛おしいほど気に入ってしまったSX-3
ではありましたが、
購入当初から時折現れるウーハーの音切れ症状。
さすがに40年以上も前の代物ですから
電解コンデンサーが駄目になっているのは明白です。
いくら音が良いからといっても、将来的な不安が拭えない毎日でした。
(レストアすると数万の費用が掛かりますからね)
今回は3ヶ月間の返金保証が付いてましたから
ぎりぎりのところまで鳴らし込んで、
それでも駄目なら返品して程度の良い物を探してみようかとも考えておりました。

そんな矢先・・


ヤフオクで、えらく程度の良い物が見つかりました。
某ショップの出品なんですが相場の半額以下の破格値!しかも即決あり。
送料負担があっても、今ある物を返品すると相殺できる金額だったので
このチャンスを逃すまいと、思わずポチッてしまったのであります。
(決して酔った勢いとかではありません)

初代SX-3の改良型、SX-3Ⅱでありまして
クロスオーバーが2KHzから1.8KHzに(微妙に)変更され
低域をカットする背面のスライドスイッチが省かれた仕様になっています。
たぶん、ほんのちょっとだけ音が細くなってるんじゃないかと思いますけど
この時代の物ですから聴感上の大きな違いは無いでしょう。

いやはや、これは良い物が手に入ったものです。
メッシュのカバー越しに見えるユニットも綺麗そうですし
何よりスプルースの表面材がさほど焼けてません。
見た目的には今あるSX-3よりも数倍美人!(笑)

我が家への到着は火曜日あたり。
はたして出音は如何に!
結果は後日のレポートをお待ちください。

ハードオフさん、堪忍ね。
そして短い付き合いではあったけれど
SX-3初代機さん、ごめんなさいね。
あっしゃあ、根っからの浮気者ですから!!

*

2015年1月16日

大きな声では言えないけれど



娘が竹鶴を買って来た。
結婚40年の祝いだそうで
照れ臭いが有り難く頂戴しておいた。

そう、あまり大きな声では言えないけれど
私ら夫婦は昨日で40周年を迎えたのだった。
長い、あまりにも長いその歴史は
ルビー婚と称されているらしい。

実を言うと
この日を祝うために(いや、さほどめでたくはないのだが)
ちょいとしたライブ・イベントを計画していた。

10年前、真珠婚と呼ばれる30年目のその日に
何かプレゼントしなきゃなあ・・と思いあぐねた末、
かつてはマネージャー兼付き人として活躍(暗躍?)していた
そんな在りし日のカミさんを喜ばせるには歌うしかないだろう。
と、極めて安直な発想から、僕は三十数年ぶりのステージに立ち
以来、昔の名前で出ていますと言わんばかりに
70年代初頭に名乗っていた「かずら」の呼称で
その後も歌い続けることになった経緯があるのだ。




記念すべき2005年1月15日、
その日を境に再出発した意味を込めて名前を「かずら元年」と改め
近頃では気の向いたとき以外は歌うことも無くなってしまったけれど
なんとか細々と(辛うじて)ミュージシャンの肩書きだけは保っている次第。

あれから10年。
事故で大怪我をしたり、その後遺症なのか片目の視力を失い
いろんな出来事に遭遇したりしながらも、ずいぶんと楽しい思いをさせて頂いた。
関わった全ての方々への感謝の気持ちを忘れないためにも
結婚記念日と重なるその日を盛大に祝うイベントを
去年の春頃から密かに計画を練っていたのだ。

ところが・・

8月に思わぬアクシデントが発生。
カミさんが自宅で転倒、三箇所を骨折する大事件が起り
11月末に退院はしたものの、現在もリハビリが必要な状況で
気軽に外へ出歩くことも儘ならない状態では
さすがに断念せざるを得なくなってしまったのである。

残念ながら無期限延期。
けれど、いつかは40周年と10周年を祝いたいと思っているので
どこぞで噂を耳にしたなら皆で祝ってちょーだいね。



娘から貰った竹鶴、
勿体なくて開けることができない。
・・寝かすか(笑)

*

2015年1月11日

OUT ON THE WEEKEND


昨晩の貧乏暇なし!頼むコーラス!!
(正確には貧乏きりなし)
わかりにくかったですかね。
大瀧詠一氏の「びんぼう」から拝借したフレーズでした。
オリジナル音源が見当たらなかったので
ウルフルズのカヴァーでご勘弁を。





そして今夜はティム・ドラモンドの訃報が・・
ディランやJ.J.CALEとの絡みもいいですが
やはりニール・ヤングの「ハーヴェスト」が印象に残ります。
派手さはありませんけど、好きなベーシストでした。
冒頭のOUT ON THE WEEKENDのシンプルさ、
これがたまらない魅力でもありました。

ご冥福をお祈り致します。

*

2015年1月10日

貧乏暇なし!頼むコーラス!!


よほど疲れていたのでしょうか。
昨晩パソコンに向かい、いつものようにBlogを書き込んでましたら
すーーーっと意識が無くなり、しばらくすると我に返り
またしばらくすると、再びすーーーっと意識が無くなり
そんなことを繰り返しながら、我に返る度にBlogを書き進み
いつの間にかUPを終えていたという、不思議な不思議な夜だったのです。
もしや魂が体から出たり入ったりしてたのかしら?
朝起きてからサイトを開いてみると、
まるで何事も無かったかのような(当たり前の)文章だったので驚いてます。
状況からして、話題や文脈があちこち飛びそうなもんですけどね(笑)

ま、働きながらの主夫稼業も半年近くになりますから
知らず知らずのうちに疲労が蓄積しているのかも知れません。
昨日も朝から病院まで送り、リハビリを終えてからスーパーへ買出し。
帰宅してから家の掃除をして、その後に珍しく時間ができたので
夕暮れ頃にアルバム数枚を聴いたり、ギターを弾いたりしてたんですが
そんなことしてないで昼寝でもしなさい!・・て、ことですかねぇ。

貧乏暇なし!頼むコーラス!!
びーんぼびんぼ びんびんぼびんぼ


今夜は意識がはっきりしてるので、先日の「マスウェル・ヒルビリーズ」に続き
「この世はすべてショービジネス」を聴きながらパソコンに向かっています。
このアルバムも大好きなのです。
アナログ盤は2枚組でしたけど、CDだと1枚に収まっちゃうんですよね。
お手軽で便利、とも言えますから、決してCDを否定することは出来ません。
用途や環境に応じて上手く使い分けましょう。

そして、またしてもスピーカーの話になってしまいますが(シツコイ?)
ビクターのSX-3が72年のこのアルバムをとても気持ち良く鳴らしてくれます。
僕の部屋にある音源は、そのほとんどが60年代末期から70年代初頭の物ですから
この時代の音作りにはよくマッチするんですよね。
ちょっとウエットな響きがたまらない魅力で、聴いていて楽しくなってきます。
ええ買い物しましたわ!

*

2015年1月9日

異物



ご縁があって
2月のイベントにお誘い頂きました。

今じゃ年に一度か二度くらいしか歌わないというのに
覚えていてくれるだけでもありがたいものです。

せっかくなんで、この子を連れて行こうかな。
まだ娑婆の空気に触れさせてませんから
酒と煙草の匂いを教えてあげなくっちゃ。

久しぶりに弾いてみました。
老化でしょうか、自分ダメダメです。
一ヶ月、毎晩触れることにしましょう。
間に合うのかしら・・

かずら元年、
ミュージシャンという看板が朽ちそうになった頃
ひょこっと顔を出して歌います。

今は、
それでいいんです。

2/11(祝日)19:00 open 19:30 start 東白楽B.C.B.G. 
http://www.geocities.jp/noborderyokohama/bcbg/
charge ¥2000(予定)1drink +パスタバイキング付き
出演 Buddha Bless You/ディクソン清水/かずら元年/楼茶

野田シェフが腕によりを掛けたパスタが食べ放題!!
僕はさしずめ、そのイベントの異物混入。
しっかりと己の存在を主張したいと思ってます。

日本最古の異物混入は桃太郎だと娘が言っておりましたが
どっこい、かぐや姫も古くから頑張っております。
負けないくらいの異物ぶりを、僕も示さなきゃね。

*

2015年1月8日

コカ・コーラとハンバーガー


しかしまあ、いったい何なんでしょう。
マクドナルドに攻撃が集中してるのは。
日付が変わる度に続々と新しいネタが更新されて
いくら以前から様々な噂や不祥事があったからと言っても
こうなると標的にされてるような印象を受けます。
客数が減って売り上げが低迷しているところへ
これでもかってくらい世間から叩かれて。

元々ジャンクフードなんて、食品添加物の多さや
本来使っちゃいけないものまで含まれて(いるかも知れない)
体にいいわけないってことは、ほとんどの人が承知してると思います。
それでも好んで口にするなら、相応の覚悟はできてるんでしょうから
今さら異物が混入してたと大騒ぎするのも可笑しな話ですし、
おそらく何処の食品加工工場であっても起り得る
ある意味、防ぎきれないのが実態なんだと僕は思ってます。

余談ですけど・・
昔、カミさんの実家で戴いたとても美味しいご飯には
毎回のように金ダワシの破片が混入してました。
義母がゴシゴシと一所懸命にお釜を磨いた結果なのでしょう。
笑いながらそれを摘んで捨てたものですが、
気付かずに食べてしまったことがあったのかも知れません。

極論ではありますが
食い物ってやつは如何なるときにも毒と紙一重です。
明らかに不衛生な店であっても旨いものは旨い。
この関係をお忘れなく。
危ないなあと感じたなら、高齢者と幼児にだけは喰わせないでください。
自己責任と自己防衛で対処しましょう。


近頃あちらこちらでデッドの話題を目にしてたので
今夜はこの2枚を聴きながら安酒呑んでパソコンに向かってます。
「アメリカン・ビューティー」いいですねえ。
戦後、そして経済成長期の我が国に於いて
コカ・コーラとハンバーガーはアメリカへの憧れの象徴でした。
イジメちゃ駄目!

*

2015年1月7日

昼下がりのパブで



キンクスのアルバムの中で一番好きなのが
この「マスウェル・ヒルビリーズ」なのでありますが
こともあろうにアナログ盤はすでに手放してしまい
夢よもう一度と捜し求めてはいましたけど
あまりにお高いので不本意ながらCDで我慢することにしました。
オークションで800円。
高いような安いような、嘆かわしい結末です。

このアルバム、収録曲の良さはもちろんのこと
見開きジャケットの内側の、この写真がいいんですよね。


アナログ盤の半分以下のサイズなのが残念ではありますが
売り払ってしまった己がいけないわけで
無理やり納得しようとしている自分が情けなくもあります。

そんな(ちょっと荒んだ)心を癒してくれるのが
あたかもアナログ盤の如く温かな音を奏でるSX-3なのでありました。

昼下がりのパブで
一杯やってるような気分にさせてくれるのです。

*

2015年1月6日

カット盤



他よりも安くていい物を手に入れたいという願望は
金銭的な理由と相まって二十代の頃から現在まで変わってません。
その昔、レコードのほとんどは米国盤、それもカット盤を好んで買い漁っていました。
だって安かったんですもん。それで諦めはつきます。

もしもご存じない方がいらっしゃるといけないので簡単に説明すると・・

在庫整理などで通常価格より安く卸す場合にジャケットを切って
通常商品との見分けが付きやすくしたのがカット盤と言われる物です。
日本のように再販制度の無い米国ならではのやり方でして
ジャケットの角をざっくり切った物や、パンチ穴がレーベルを貫通している物まで
様々な形状の穴やカットが容赦なくジャケットに刻まれていました。
レコードを消耗品と捉えるアメリカ人のやることは大胆不敵ですよね。

30Cmのアートと称されるジャケットが切られているなんて
ちょっと悲しい気もするんですけど、安さには代えられません。
中身は同じなんだからと自分に言い聞かせ納得してました。
過日ヤフオクで入手したこのオーリアンズも、左上の角が見事にカットされてますけど
中身良ければそれで善し、なのです。

そもそもレコード盤を神経質なくらい丁寧に扱うのは日本人くらいなものでしょうね。
やれ指紋が付かないようにとか、埃が付かないようにとか
欧米に比べて価格が高いせいもあるのかも知れませんが
音楽を楽しむより、そっちの方に神経を尖らせている人が多い(多かった)のです。

ただし、それは国内盤の性質からも起因してるのだと思います。
米国盤と比較すると、音溝が繊細でとても綺麗な盤面に仕上られていて
僅かな埃や擦り傷、指紋や汚れが付いてしまうと目立つんです。
その点、米国盤はラフな作りでして、表面もザラッとした感触ですから
埃や指紋が目立つということはほとんどありません。
おまけにカッティング・レベルが高いので音溝も太いですからね。

趣味嗜好品と捉える日本と、消耗品と捉えるアメリカと
その国民性の違いが如実に表れているのがレコード盤なのであります。
当時は高額で高級品だったという我が国の事情もあるんでしょうけどね。
それ故、今さら限定販売の高いアルバムが発売されることにムカッとするんです。

*

2015年1月5日

もう一人の30歳



英国ワッツ社のパロスタティック・ディスク・プリーナー。
ご存知ない方のために言うと、これはレコードクリーナーでありまして
中の芯棒に水を湿らせると外側のスポンジが湿気を帯びて
盤面の埃と静電気を取り除いてくれる優れものなのです。
持ち手の付いた(一般的な)形状の物よりも使いやすいですし
甘ったるくて大嫌いな臭いのレコードスプレーを使わないで済みますから
僕は72年頃からずっとこれを愛用してるんです。
けれど残念なことに今ではもう見かけません。
これは我が家に現存する最後の一本、たぶん30年くらい前に買ったまま
小物入れの片隅に仕舞い込まれていたものだと思いますけど、
これが残っていたことでアナログディスクとの付き合いを楽しめてるとも言える
僕にとってはまさに貴重なアイテムなのであります。
(よくぞ生き残っていてくれた!)
確か当時はこの黒の他に、表面のフェルト地が赤と青の製品もあったと思いますが
どなたか今でも愛用しているという方、いらっしゃいませんか?
お友達になりましょう(笑)


そして今夜はジャクソン・ブラウンから始まりました。
暫くの間、僕はリスナーに徹しますよ。

そうそう、昨晩FBで「お高いアナログ盤」についてボヤいてしまいました。
いったい何枚プレスしたのかは知る由もありませんけど
景気の上向きを力説するアベノミクスを後押しするようなもんじゃないかと思うんです。
いくら好きであっても、あの価格に手を出せるのは一部のマニアじゃないんでしょうか。
それも(中国風に言うと)限られた富裕層。
まるでオークションみたいな価格設定に僕は反対ですね。

ついでに某○ルウッド社の重量級アナログ復刻版についても言うと
いったいどんな人が思いついた企画なんでしょう。
確かに名盤と呼べるものは数点ありますけど、¥3800は足元見すぎです。
断言します、あれは大量に売れ残るでしょう。
趣味嗜好品なら高く売れるだろうという発想はやめてください。
返品と廃盤率を高めるだけなんですから。

アナログ盤を愛する一人として
僕、密かに怒ってます。

*

2015年1月4日

40歳と30歳


どうしてなんだ?
何故このSX-3は、アナログ盤よりもCDの方が心地好い音で鳴るんだあ?
昨晩からずっと気になっていた謎なのだが
仕事場への行き帰り、運転中に考えていてふと思いついた。
カートリッジを特性に癖の無いMCに替えてみよう。


手持ちのMCの中で唯一まだ使えそうなDENON DL-103 GOLDに替えてみた。
使える、とは言っても購入してからすでに30年くらいは経過している老練なので
針先は磨耗してなくともカンチレバーやダンパーはかなり劣化している筈だ。

しかあし!
この策は見事に的中して、アナログ盤が生き生きとした瑞々しい音で鳴ってくれた。
恐るべし放送局仕様のDENONの耐久性!!
SX-3との相性もいいようで、痩せず太らず滑らかに朗々と鳴る。

今まではコンパクト・モニターだったので、シュアーのドスの効いたMMの方が
低域が盛り上がってバランスよく聴こえていたんだろうね。
そのドンシャリ感がウーハーのサイズだけでも倍くらいあるSX-3には逆効果となって
特定の帯域が暴れて耳障りな音を増幅してたんだと思う。
感激するくらい、この古いカートリッジのおかげでアナログ盤が蘇った。
どうやらSX-3は、MCのフラットな特性を艶やかに鳴らす技を身に付けているようで
こうして聴いていると、このマッチングはベストに近い。
昨晩ご紹介したジョージ・ムラーツとローランド・ハナのアルバムも
ピアノのアタックやベースの締まり加減が申し分ない。

うーん、大奮発してDL-103の新品を買ってしまうか!
昔の倍くらいの値段になってはしまったけれど、
安定した品質のジャパン・メイドだからね。
(工場のラインじゃ今でもコイルを手で巻いてるのかしら?)


そんなわけで、シミだらけになってしまったJ.J.CALEのアルバムも
とてもとても良い音で鳴ってくれました。
40歳を超えたSX-3よ、ありがとう!
そして30歳を超えたDL-103もありがとう!
君らとはいい関係になれそうだ。

*

2015年1月3日

誤算?



深夜、ブルーノートやプレステイジからリリースされた
いわゆるジャズの名盤という幾つかを聴くことがたまにあります。
酒を呑みながらなので、CDは手軽で気を遣うことがないので楽なんですが
ジャケットをアートとして捉えると、やはりコンパクトサイズでは物足りません。
30Cm角の中で完結されたそれを縮小すると、まるで別物に感じてしまうからです。

たとえば僕の愛聴盤であるこのアルバム、
ジョージ・ムラーツとローランド・ハナの「ポギー&ベス」
これなんかは完璧にジャケットを見ての衝動買いでした。
トリオ・レコードから76年に発売された(あまり評判にならなかった)物ですけど
写真もデザインも(もちろん演奏も)秀逸な一枚だと思っています。
これが仮にCDだったとするなら、視覚に訴えてくるものが希薄なので
たぶん手に取ることもなかったんじゃないでしょうか。

そもそもプラスチックケースというのが
指先から感じるイメージや直感を阻害しているような気がします。
紙の素材や質、インクの乗り具合なども内容を伝える重要なファクターなのですから
デザインと併せそれらが凝縮した30Cm角のアートは唯一無二の物と言えます。

絶滅寸前まで追い詰められ、再び脚光を浴びる形になったアナログ盤の醍醐味は
実はこんなところにもあるのですが、こうして外観だけで捉えるなら
文庫本と単行本の違いみたいなものでしょうかね。

そんなアナログ盤の音を楽しむため、暮れに旧いスピーカーを買ってしまいました。
僕には以前から根拠のない思い込みがありまして
30Cmのディスクを再生するには同サイズのターンテーブルと
そして30Cmのウーハーがマウントされたスピーカーが最低限必要なのだと。
今までに使用した中で一番理にかなっていたのはJBLの4311でしたが
大きな音で鳴らせない現在の住環境では宝の持ち腐れになってしまうので
妥協できるぎりぎりのところでビクターのSX-3という
70年代初頭に一世を風靡した国産モデルが安く売られていたので入手したわけです。


ウーハーは持論に反して25Cmですが、これはやむを得ない結果でしょう。
ただしこれ、僕はずっと反目していたモデルでして
名機と謳われ、とても評判の良かった物なんですが
当時の僕は尖った音が好みだったので、滑らかで綺麗な音には全く関心が無かったのです。
それが・・年齢のせいなんでしょうかねえ、
今じゃ受け入れられるどころか「いい音」に聴こえてしまいます(笑)

いや、ほんとこれはいいですよ。
ソフトドームのツイーターは刺激音も無くスーッと伸びていますし
2KHzでクロスするウーハーとの繋がりもとてもスムーズです。
当時の評判通り、音の響きがいいんですよね。
フロントバッフルがスプルース材だからなのか
密閉箱なのに天板を叩くと、スコーンと抜けの良い音が響くから不思議です。
アコースティック楽器の音は特筆ものですね。

ま、これがクラシック音楽を愛好する方々に認められた所以なんでしょうけど
若い頃の僕がどうしても受け入れられなかったのは、この「音の甘さ」なんです。
それがどうでしょ、今ある僕には心地好い。

けれど、たったひとつだけ誤算がありました。
アナログ盤より、むしろCDの方が艶やかに鳴るんです。
デジタルの音源が、極めてアナログっぽい音がするもんで
ここ数日はヤフオクで仕入れたLPはそっちのけでCDばかり掛けています。

これはある意味嬉しい誤算てやつですな。
40数年の時を経て、老兵が現代に蘇ったようなもんです。
ようやく働ける場を得たような、そんなところでしょうけど
マーチンはマーチンらしく、ギブソンはギブソンらしく
見事に鳴り分けてくれるんですよ、これが。

数日前、FBで呟いた言葉
「往年のフォークソングの響きだ」と書いてしまったのは
解説するとこういうことだったんです。

いやはや
侮るなかれ国産機、ですな。



呑みながら綴っていると
だんだん訳がわからなくなってきてしまいました。
他にも言いたいことがあったような気がしますけど
それはまたいずれ。

ジャック・エリオットが気持ち良さそうに歌っている夜でした。

*

2015年1月1日

はっぴ(いいえ)んど



振り返ると
あっという間の一年

日の出と共にやって来る新年とは
意地悪で悪戯好きなのか
暦に終止符を打って
あたかも非連続な日常が
其処から始まるかのように思わせる

我が家の長女に言わせると
今日は13月1日なんだそうな
盆も正月も無い忙しい人間にとっては
確かにそれも一理ある

どうだい
ここいらで昔の姿に戻ってみないか
正月の三が日くらいは皆が休んで
静かに新年とやらを迎えてやろうじゃないか

そうでもしなきゃ
去年と今年の境い目なんて無い

慌しく13月を迎え入れるのは
忙しなくて嫌だし
何かを引き摺ってるみたいで
先へ進めそうにもない

24時間営業や年中無休は
過剰な便利さだといつも思ってる
おまけに人間を馬鹿にしてしまうだけで
工夫や知恵は生まれて来やしない

少しは不便さにも慣れなきゃだめだってば



・・なんだか
毎年同じ事を書いているような気がしてきた

こんな具合に2015年は始まる(始まってしまった)
わけであって
2014年も僕の中では
「はっぴ(いいえ)んど」だったのである

*